インフルエンザ情報

それは違うぞ、という同業者の方がおられましたら、原典を含めてお知らせいただけると幸いです。
タミフルの効果ではっきり証明されているものは、熱の期間を1日かそこら短くすることである。この効果は発症48時間以内に限られる。
喘息などがあるこどもへのタミフルは推奨されそうだが、喘息があるこどもで症状がある期間を短くすることは、実は証明されていない。
タミフルありとタミフルなしを比べた調査では、タミフルありの方が中耳炎の発生が少なく、嘔吐の副作用が多かった。
タミフルを使うことで、インフルエンザ脳症や肺炎になる確率を下げられる、ということは示されていない。
科学的な信頼性は低い調査の結果ではあるものの、インフルエンザ患者でのけいれんを調べたところ、タミフルはけいれんを増やしも減らしもせず、「最も安全な解熱薬を使うこと」と「けいれんが起こること」の間に関連が見られた。
インフルエンザの症状に、異常言動、幻覚などがあるが、タミフルありとタミフルなしでその頻度が変わらなかったため、「タミフルは安全だ」と発表していたが、その調査の科学的な信頼性は低めであり、危険とは言えない、くらいである。
今シーズンの騒動が起きる前の調査では、インフルエンザの9割の人にタミフルが使われていた。インフルエンザが原因で何かが起きた時に、そのうち9割がタミフルを飲んでいても不思議はない。
タミフルで治療することで周囲への感染を抑えることは証明されていないが、周囲の人(例えば家族など)がタミフルを飲むことで感染率が下がることは、そこそこ証明されている。
感染症診療に熱心ないくつかの病院では、基礎疾患がなくて特にリスクがないインフルエンザ患者に対して、タミフルを使わないことを原則とすることを方針を出していた。飛び降りるなどという報道が出るずっと前から。
数百万のタミフル使用に対して報道されるようなことが起きたとすると、確率は10万分の1から100万分の1の桁になり、薬の中では安全な方かもしれない。
リレンザという吸入薬があり、タミフル同様の効果が期待されると言われているが、気道に直接届くため量が少なくて済むから全身への副作用が少ないと考えられているが、全国的に極度の品薄だ。確かに、タミフルは中耳炎の合併を減らすが、リレンザでは減らせないという。
インフルエンザかどうかを症状や熱の高さから診断することは無理である。
インフルエンザ迅速検査は、症状が出てから検査まで早すぎると結果が不確かだが、早すぎの基準が半日か一日かということについては、「9割は間違いないです」を高いととらえるか低いととらえるかという価値観の問題と似ている。
確実な診断をするには時間がかかり、結果が出た頃にはもう治っているというのが一般的で、この点はノロウイルスの診断と似ている。
個人的な予想だが、今後タミフルなしでの同様の事例が報告されて、なんとなくほとぼりが冷めていくのだと思う。