特別な対応が必要であるという差別

HIVが特別な感染症であった頃、その検査をする際に同意が必要だとか、検査結果をどのように表示するかとか、色々な問題があった。しかし、そうした「気遣い」が、むしろ「特別な病気」に対しては、一般の医療従事者は関わらなくていい、というメッセージにもなり、必要以上に大きな対応が生じたり、本当は必要な対応が取られないことがある。例えばHIV感染者の使った食器や寝具をどうするか、という不必要な対応に関する誤解だったり、例えばHIV陽性であることを必ずチェックして厳重な対応をするように徹底したら、HIV陰性の血液を扱う時には手袋は不要であるという誤解が生じることなどを見聞きする。
新型インフルエンザだからマスクが必要なのではなくて、咳をしている人には全てマスクが必要であり、手洗いをすることはただの風邪の予防のためにも最も基本的で重要な対策である。「麻疹が流行する国で新型インフルエンザは防げるのか」という書籍も出版されているが、下のblogの「あれほど麻疹を放置し・・」の行は、日本の感染症対策を的確に表現した一文だと思う。
http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/c2c6cd30afd65532d14bc4ea6bf78fed