お医者様くらい

「こういう判例が次々に出るごとに医者はその判例に縛られているのです」とまで思いつめるのはお医者様くらいで、法律家や行政、民間企業は「そもそも下級審判決は判例ではない。最高裁判決ならいざ知らず、下級審判決くらいで自分達の行動が直ちに縛られることはない」と考えているのです。
一人の医者としては、診療の時間を割いて裁判をしながら、最高裁で負けるまで自分のやり方を通すよりは、そもそも訴えられることを避けたり、最高裁以外の裁判であっても負けるようなこととは関わりたくない、と思う。例えば医学的にどうしても避けられない結果であっても、そういうことを「説明していなかった」ということについて責任を問う判決が出たため、説明と説明したという書面を取るのに莫大な力を割くようになったが、それもお医者様の気にしすぎなのだろうか。
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20060819