搬送先を探すのに時間がかかる

酔っぱらいの診察をするのを好む医療者が果たしているだろうか。そういう患者の相手に疲れ果ててスタッフが辞めていく病院なら知っている。従って、そういう患者を受け入れない方針の「救急病院」が多くなり、そうなるほど、救急隊は何十軒もの病院に電話をかけ続けなければならない。電話のセールスではないのだから、断られ続ける電話をかけることは愉快ではない。それにこのニュースはあの奈良県だ。
搬送先の病院のことも想像してみて欲しい。検査結果が悪いものであったから非難が高まっているわけだけども、夜通しCT検査ができる病院は多くないし、自分が放射線技師だったら、寝てる時に自宅から呼び出されて撮った患者が酔っぱらいだったら、怒りの気持ちが湧いてくる。他の病院では夜の呼び出しがないか、確かにそれは重症だという場合だけだったら、ぜひともそっちへ移りたいと思うだろう。
患者が酔っているかどうかで対応を変えるべきでないと言うのは簡単だし、確かにそれは正論だし、今回は悪い結果になっているのも事実である。しかしこれを「救急隊が悪い」「受け入れない病院が悪い」で終わらせてしまっては、つらい職場から逃げ出す人を増やし、受け入れる病院を減らすだけで終わるだろう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061118-00000501-yom-soci