移植医療という問題

生体間移植には、そもそも健康な人の体にメスを入れることと、従って身内から身内へしか提供がなされない、という2点の問題があり、どちらも非常に難しく、率直に言って嫌な問題だ。
年間1万件以上の脳死移植が行われているアメリカでも、慢性的な臓器提供不足にあり、日本では言うに及ばずである。アメリカでは5%を外国人のために確保しているというが、日本で提供が一般的になった時に、まだ足りなくて間に合わずに死んでいく日本人がいる中で、外国人のためにそんなことができるだろうか、と高名な教授は問うていた。
身内からの臓器提供が受けられなかった人には、お金を積んで提供してもらうであるとか、病気でもいいから自分のよりはマシな腎臓を提供してもらうとか、そういう道が出現してくる。非難するのは簡単だが、もしも自分が同じ状況になっても同じ判断でいられるだろうか。
倫理的に問題があるとか言うのは簡単だが、そこで医療を受けた人がいて、「助かった」人がいるのは事実であるから、その人たちを目の前にしても同じことが言えるのか、その人を「救う」他の手段を何か提案できるのか、そこまで考えると容易に発言できないな、と私は考えていた。
http://d.hatena.ne.jp/hanjukudoctor/20061113#p1
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